都市型ビオトープの実践

「ビオトープ」とはドイツ語で、生物が生きていく空間、住み場所という意味です。

自然環境は、本来そこに生息している生き物と共に保全しなければなりません。ビオトープ造りは生態系の復元をはかり生き物との共生により、自然環境を守り育てる有効な取り組みです。

私たちは、平成12年より実験的な取り組みとして、都市型ビオトープを造り観察調査を続けています。

(1)目的

身近な公園や学校、病院、庭園などに造る小規模なビオトープ池において、生物の生息状況と経過を観測し、市街地のビオトープ造りに向けるための実践をしています。

(2)ビオトープ池

近隣公園に隣接した約80uの敷地に面積20u、深さ30pの池を造り、一ヶ月約1,5mlの水道水を水源として給水しています。造成時には植物等の生物の導入は行わず、自然遷移としました。

(3)水質調査

  • 1:pH(測定水温℃)7.1(23)
  • 2:SS4mg/l
  • 3:CODMn14mg/l
  • 4:DO11.7mg/l
  • 5:全窒素0.78mg/l
  • 6:全リン0.056mg/l
■水質分析結果
  • ・CODが10mg/lを超え、かなり富栄養化している。
  • ・栄養塩類の窒素、リンは環境基準の類型で最も良くないD類型に値する。
  • ・SS(浮遊物)が低く濁っていない。DO(溶存酸素)が高い。湖沼のA類型に属する透明度の高い値。しかし水温の上昇等により、アオコ等の植物プランクトンが大量発生する可能性のある水質。

(4)確認された生物

  • ・水生昆虫:カワゲラ、ヤゴ、マツモムシ、カマキリ、ゲンゴロウ、アメンボウ
  • ・植物:ガマ、ギシギシ、ギョウギシバ、タンポポ、クロバー、セイタカアワダチソウ、イヌコリヤナギ、ヨモギ、スイバ、フランスギク、スギナ、シソ、アカツメグサ、ノゲシ、ハコベ、ミズトクサ、スギゴケ、ゼニゴケ、イグサ、ミミナグサ、フウロソウ、ヒメスイバ、ナガハグサ、オオアレチノギク、フキ
  • ・その他:エゾアカガエル、
■水面のほとんどをガマが覆い尽くされ、9月頃には穂がはじけ綿毛となって飛び始めます。ガマの繁殖は水質の基準と関係あるようです。

(5)今後の取り組み

安価な水源の確保、簡易な水質の管理・浄化、幼児に対する池の転落防止、住宅街の植物種子の飛散、藪蚊などの発生、夜間カエルの鳴声対策等の取り組みが必要とされます。

(小川)
実 践 前
実 践 後