ユニバーサル遊具〜道立ゆめのもり公園  北海道-中標津町(平成12年度)

■コラボレーションによるユニバーサル遊具の計画
〜子供たちが車イスから降りて、明るくのびのびと遊ぶ姿〜

近年、私たちの生活環境において、バリアフリー、ユニバーサルデザインによる空間づくりが求められています。

道立ゆめの森公園は文字どおり、人々のゆめを託してつくられた公園です。この公園内にユニバーサルデザインを取り入れた遊具「ユニバーサル遊具」(特別な人の特別な遊具ではなく、誰でも利用できて安全で使いやすく工夫された遊具)を設置しようということになりました。

ユニバーサルデザイン遊具にどのように取り組むか、その在り方を求めて障害者自身、その保護者、療育施設の作業療法士、それぞれの立場の意見を求め、共通の認識と目標を得るため、作業療法士とコンサルタントのコラボレーションによる検討を進めました。

コラボレーションから得られた目標は、療育施設内でリハビリ等に使われている用具を参考にこれを遊具として青空の下で利用し、子供たちが車イスから降りて、明るくのびのびと遊ぶ姿でした。

目標に向かって取り組む中で、ハード面からは解決できない課題が表面化しました。

  • (1) 障害者自身が車イスから降りて、楽しく遊べるデザインとは
  • (2) 保護者が安心して見ていられる遊びのデザインとは
  • (3) 運動能力の異なる子供たちが一緒に遊ぶということは

これらの課題については、コラボレーションで検討を重ねました。

その結果、計画段階で共通の理解が得られ、設計の基本的考え方を次のように定めました。

  • ● 対象とする主な利用者
    • ・遊具を利用する主な対象者については、介助者の付き添いを含む歩行困難者及び歩行不能者とし、障害者、健常者とも、幼児から小学校低学年ぐらいを基本とする。
  • ● 遊具のデザイン
    • ・運動能力や困難度の異なる子供が一緒に遊ぶために、先ず障害児が恐怖感を抱かずに遊ぶことができる空間であること。
    • ・障害者の運動機能の向上に役に立ち、かつ障害者、健常者ともに楽しいと感ずる空間であること。
    • ・遊びの機能と安全性を重視し、特に遊具の材質と色について配慮する。

さらに完成後、体験により検証を行いました。検証の結果、遊具としての一定の成果を認めることが出来ましたが、反面、遊具の整備というハード面の取り組みだけでは解決の難しい問題も認識することとなりました。

今後の展開に向けて、ユニバーサル遊具そのものの在り方やディテールに対する改善点の検討を更に追及していきたいと考えています。

(村上)
ユニバーサル遊具とビジターセンターを臨む
ビジターセンター屋上から見たユニバーサル遊具
子供たちとの交流とあそびの検証
水のあそびと一体的に利用できる

コラボレーション(協働)はコンピューターグラフィックスなどを使用し、お互い情報を共有しながら進めました。

  • 作品名 道立ゆめのもり公園 ユニバーサル遊具
  • 所在地 北海道標津郡中標津町
  • 事業規模 約500u(遊び空間面積)
  • 設計 2000年
  • 協働者 北海道立札幌肢体不自由児総合療育センター作業療法士